抄録
症例は59歳の男性.小腸潰瘍からの出血によりショック状態となった.内科的治療により出血のコントロールができず,第11病日に術中内視鏡検査と出血源である回腸切除術を行った.病歴からNSAIDs関連病変が疑われ,他部位にも出血源となる病変が存在する可能性が考えられたことから腸管吻合はせず,open abdomen managementによりplanned staged surgeryとすることを選択した.術後も上部空腸からの出血による貧血の進行があり,第13病日に術中内視鏡検査と空腸部分切除を行った.状態の安定を確認し第16病日に腸管を吻合し,第18病日に閉腹した.積極的なopen abdomen management を組み合わせたplanned multi-staged surgeryは,内科的治療抵抗性で複数箇所からの出血が疑われる小腸潰瘍に対して有効な治療手段の一つとなる可能性がある.