日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
癌性腹水に対する腹腔-静脈シャントの安全性と有用性
澤崎 翔玉川 洋井上 広英大島 貴利野 靖益田 宗孝
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2017 年 78 巻 3 号 p. 447-451

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抄録
目的:癌性腹膜炎に伴う腹水は難治性で,腹部膨満感などの症状により患者のQOLを著しく低下させる.癌性腹水の症状緩和目的に挿入した腹腔-静脈シャント(デンバーシャント)の安全性および有用性を明らかにする.
対象と方法:デンバーシャントを造設した癌性腹水患者29例について,後方視的に臨床的因子を検討した.
結果:原疾患は膵癌15例,胆管癌6例,胆嚢癌5例,乳癌2例,腹膜悪性中皮腫1例であった.腹部膨満感は24例(85.7%)で改善した.Clavien-Dindo分類Grade2以上の術後合併症は12例(41.4%),在院死は3例(10.3%),術後の生存期間中央値は47日(0-291日,術後急死1例含む)であった.
結語:デンバーシャントは癌性腹水による症状の改善に有用であったが,周術期死亡例や生存期間が1カ月未満の症例もあり,適応を慎重に考える必要がある.
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© 2017 日本臨床外科学会
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