抄録
十二指腸動静脈奇形(arteriovenous malformation;AVM)はまれな疾患であるが,難治性潰瘍や消化管出血などをきたし治療に難渋することがある.今回,AVMの流入動脈と範囲を同定し術前に動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization;TAE)することで,安全に十二指腸部分切除を施行することができた症例を経験した.症例は45歳の男性.吐血を主訴に救急搬送され,緊急内視鏡にて十二指腸水平脚に露出血管を伴う潰瘍を認めた.造影CTと血管造影にて十二指腸AVMと診断した.AVMからの術中多量出血が危惧されたため,手術2日前に流入動脈のTAEを施行した.十二指腸AVMに対し術中出血コントロール目的の術前TAEを施行した報告はなく,文献的考察を加え報告する.