抄録
患者は68歳,男性.便潜血陽性で下部消化管内視鏡検査にて0-Is型のS状結腸癌を認めた.CT・注腸造影検査にて上行結腸の左方偏位と上腸間膜静脈(SMV)rotation signを認め,non-rotation typeの腸回転異常を伴うS状結腸癌と診断し,腹腔鏡下に手術を施行した.下腸間膜動脈(IMA)腹側に上行結腸は位置し,S状結腸間膜右側と癒着しており,脾彎曲は結腸が複雑に屈曲し腹壁への大網の癒着を認めた,上行結腸・盲腸をS状結腸間膜より剥離した後に,通常通り,内側アプローチで手術を行った.脾彎曲の複雑な癒着を剥離することに難渋したが,腸回転異常を伴う自験例に対して腹腔鏡手術は有用であると考えられた.