日本臨床外科学会雑誌
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症例
局所止血材により止血した仙骨骨折に伴うBatson静脈叢出血の1例
須田 竜一郎
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2018 年 79 巻 3 号 p. 595-599

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抄録
仙骨骨折は,内椎骨静脈叢(Batson静脈叢)が骨片により損傷され出血し,致死的なショックをきたし得る.今回,仙骨骨折に起因するBatson静脈叢からの出血に対し,微線維性コラーゲン止血材を使用した症例を経験し,有用であると考えられたため報告する.症例は29歳,男性.墜落に伴った鉄骨支柱による会陰部杙創.CTで仙骨骨折に伴う腹腔内出血に対して緊急開腹を行った.術中所見ではDenis分類zone IIIの仙骨(S1)に鉄骨が刺入しており,これを抜去するとBatson静脈叢からの出血と考えられる噴出性の出血をみた.ガーゼパッキングを行い,24時間後に再開腹すると再び噴出性の出血をみたため,微線維性コラーゲン止血材を出血部位に充填したところ,良好な止血が得られた.外傷に伴う止血困難なBatson静脈叢からの出血に対しては,微線維性コラーゲン止血材の使用も一つの選択肢となり得る.
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© 2018 日本臨床外科学会
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