抄録
2025年にはベビーブーム世代全員が後期高齢者となり,高齢者の「住まい」の問題が顕在化すると予想されている。本研究は,北海道A市の医療保険と介護保険のパネルデータから,要介護認定高齢者の介護保険施設および居住系施設への入所要因を明らかにすることを目的とする。対象は,2007年~2009年の各年7月および12月の合計6時点の要介護認定高齢者のうち,療養在宅する国民健康保険被保険者と老人保健制度の国民健康保険被保険者,又は,後期高齢者医療制度の被保険者1,292名,延べ4,099名のパネルデータを用いた。対象者の平均年齢は82歳,女性が7割と多かった。Longitudinal Logistic Regression Model(変量効果モデル)を用いた結果から,経済状況,要介護度の悪化,入院サービス/居宅サービスの利用が,施設入所の関連要因であることが明らかとなった。施設入所の予防には,経済状況の安定,要介護度の悪化予防,および入院・居宅介護サービスの利用者への介入が有用であることが示唆された。