2019 年 80 巻 7 号 p. 1297-1302
症例は55歳,女性.健診にて胆嚢ポリープを指摘され当院へ紹介受診となった.CT検査およびMRI検査で膵頭部右縁壁に石灰化を認め,腫瘤内尾側に充実成分を伴う30mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.また,上腸間膜静脈と脾静脈の合流部近傍に29mm大の門脈瘤を認めた.EUSでは膵鉤部に低エコーを示す石灰化を伴う腫瘤として認められたが,FNAでは確定診断は得られなかった.画像所見よりSPNやP-NETを疑い,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.門脈瘤に対しては増大傾向を認めなかったため,切除は施行しなかった.術後病理診断では,腫瘤は十二指腸の固有筋層内に位置していた.腫瘤部は短紡錘形核と好酸性の細胞質を有する紡錘形細胞が束状,錯綜配列を示し,充実性胞巣を形成していた.c-kit陽性であり最終診断は十二指腸GISTであった.