2019 年 80 巻 9 号 p. 1675-1681
症例は22歳,女性.既往歴は卵巣嚢腫および喘息であった.心窩部痛を主訴に来院した.体温38℃であり,採血では炎症反応の上昇を認めた.腹部造影CT検査では虫垂の腫大とDouglas窩に腫瘤性病変を認めた.腹腔鏡下虫垂切除術を予定し,腫瘤性病変については術中に観察し対応を決定する方針とした.腹腔鏡所見では腫大した虫垂と,回腸から連続する嚢胞性病変を認め,消化管重複症の可能性が高いと判断し,腹腔鏡下虫垂切除術および小腸部分切除術を施行した.病理所見では,嚢胞様病変は小腸と壁を共有し,粘膜・粘膜筋板・粘膜下層・固有筋層を認め,消化管重複症と診断した.また,粘膜には消化管粘膜以外に線毛上皮や扁平上皮,気管支腺に類似した組織も認めた.消化管重複症は稀な消化管の先天性疾患であり,異所性組織を有する報告は少なく,文献的考察を加えて報告する.