2021 年 82 巻 1 号 p. 141-144
症例は70歳,男性.腹痛・血便を主訴に受診し,腹部CTで下行結腸の腸重積と診断した.保存的治療で自然整復され,下部内視鏡検査で同部位に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.悪性を否定できず,また,重積再発予防のため結腸切除を行う方針となった.手術は腹腔鏡下下行結腸切除術を施行した.臍部にカメラポートを挿入し合計5ポートで行った.臍部に4.0cmの小切開を行い,機能的端々吻合により再建した.摘出標本の肉眼所見で,2.0×1.3×1.0cmの有茎性隆起性病変様の粘膜下病変を認めた.病理組織学的所見で,粘膜下組織内に好酸球を含む炎症細胞浸潤を伴った線維性間質およびが小血管の増生が認められた.明らかな悪性所見や腫瘍性病変は認めず,inflammatory fibroid polyp(IFP)と診断した.術後7日目に退院した.腸重積を合併した結腸IFPの報告は稀であり,腹腔鏡下に切除した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.