日本臨床外科学会雑誌
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症例
閉鎖孔ヘルニア嵌頓術後の大腿膿瘍の1例
五葉 海大畠 将義溜尾 美咲宇都宮 健八木 草彦大谷 広美
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2024 年 85 巻 9 号 p. 1309-1315

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抄録

症例は75歳,女性.右大腿内側の違和感と疼痛を主訴に,救急外来を受診した.閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し,非観血的整復を試みたが整復できず,緊急手術を施行した.手術は腹腔鏡下に行い,右閉鎖孔に回腸がRichter型に嵌頓しており,還納した.嵌頓回腸は穿孔しており,穿孔部回腸切除を要した.ヘルニア囊は肥厚しており,翻転困難であった.子宮円索を閉鎖孔に縫着させた後,右側腹部のポート孔よりヘルニア囊内に10mmマルチチャネルドレーンを挿入し,絹糸を用いて固定した.術後9日目に退院したが,退院後11日目に高熱・悪寒が出現し,意識レベル低下もあり,当院へ救急搬送された.来院時ショックバイタルであり,下腹部に軽度の圧痛を認めた.造影CTでは骨盤右底部から大腿部の筋群に及ぶ膿瘍を認め,CTガイド下ドレナージ,大腿部切開排膿を施行した.嵌頓小腸の穿孔を伴う閉鎖孔ヘルニアの手術後は遺残膿瘍を形成する可能性があり,診断後は画像ガイド下ドレナージや切開排膿を安全かつ速やかに施行する必要がある.

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