2019 年 39 巻 3 号 p. 263-267
症例は34歳の女性で,妊娠36週で双胎妊娠・前期破水のため脊髄くも膜下麻酔による緊急帝王切開が施行された.術前検査に特記すべき異常はなく,妊娠中に呼吸循環系の症状は認めなかった.術中特に異常なく経過していたが,第2子娩出直後に心肺停止となった.直ちに心肺蘇生処置を開始し,数分後に心拍再開が得られた.手術終了後,ICUに入室した.術後の経胸壁心エコーで著明な右室拡大を認め,肺動脈カテーテル検査により肺高血圧症が判明した.特発性肺動脈性肺高血圧症と診断されたが,術後10カ月目にSLEと診断された.このことより,症例の肺高血圧症は結合組織病関連の肺動脈性肺高血圧症であると考えられた.