日本臨床細胞学会雑誌
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原著
胆汁の集細胞処理法の検討
古旗 淳広岡 保明松本 俊治石 和久東井 靖子阿部 加奈子阿部 佳之権田 厚文
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2011 年 50 巻 2 号 p. 95-100

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抄録

目的 : 胆汁中の細胞を効率よく回収するための集細胞処理法について検討した.
方法 : 胆嚢結石症 25 例の摘出胆嚢壁の擦過細胞を胆嚢内胆汁と各種処理液との等量混合液に一定量加えた. 遠心後の沈渣全量をサイトスピンにて塗抹標本とし, 95%エタノール固定, Papanicolaou 染色を行った. 用いた処理液は生理食塩液, ウシ血清アルブミン (BSA) 液, RPMI 1640 培地, 50%エタノール液, CytoRich®液, YM®液およびポストサンプラー®液である. 顕微鏡によるデジタル画像より上皮細胞数を算定し, 無添加胆汁に対する割合 (%) を増加率として求めた.
成績 : 集細胞数は無添加胆汁に対し生理食塩液で 197%, RPMI 1640 培地で 297%, BSA 液で 326%, 50%エタノール液で 468%, CytoRich 液で 612%, YM 液で 658%, ポストサンプラー液で 653%と, すべての処理液で有意な増加を示した.
結論 : いずれの処理液も高い増加率を示した. 特にアルコールを含む CytoRich 液, YM 液およびポストサンプラー液は優れた集細胞効果を示し, 標本作製時のアーチファクトの少ない診断の容易な胆汁標本の作製に有用と思われた.

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© 2011 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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