日本臨床細胞学会雑誌
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尿中に腫瘍細胞が出現した男子尿道原発悪性黒色腫の1例
杉島 節夫横山 俊朗吉田 友子大薮 裕司江藤 耕作自見 厚郎荒川 正博森松 稔
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1991 年 30 巻 3 号 p. 552-557

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抄録

尿中に腫瘍細胞が出現した男子尿道原発悪性黒色腫について報告した.症例は64歳男性で尿道球部に発生した悪性黒色腫であった.尿細胞診では腫瘍細胞は孤立散在性に出現し, 一部疎な結合を示す集塊で出現した細胞では移行上皮癌細胞との鑑別が困難であったが, 少数の細胞には明らかなメラニン顆粒が認められた.これら尿中の腫瘍細胞は免疫組織化学染色においてS-100蛋白が陽性を示し, 摘出腫瘤の病理組織標本ではMasson-Fontana染色陽性, 鉄染色陰性, 免疫組織化学染色ではS-100蛋白陽性さらにNSE (Neuron-specifi cenorase) も陽性であった.また, 電顕にて腫瘍細胞の細胞質に多数のmelanosomeが確認された.

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