抄録
切除標本の穿刺吸引細胞診にて多数のbluebodiesを認めた肺腺癌の1例を報告する. 症例は73歳, 女性で, 左肺下葉に腫瘍を認め, 切除術が施行された. 組織学的には高分化型乳頭状腺癌で, 肺胞腔内にヘマトキシリンに濃染する層状の石灰化小体 (blue bodies) を認めた. この石灰化小体は細胞診では透明な層状構造物として観察され, 偏光顕微鏡下で複屈折性を示し, X線分析では主成分はカルシウムであることが判明した. 文献的には細胞診でのblue bodiesの出現頻度は約10%とされているが, 日常検査での観察頻度は少なく, 見過ごされている可能性が高い. bluebodies自体は疾患的特異性は少ないが, 診断にあたっては砂粒体との鑑別が重要であると考えた.