日本臨床細胞学会雑誌
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鼻腔腫瘤で発症したRosai-Dorfman diseaseの1例
宇於崎 宏鹿島 健司竹内 賢吾瀬田 章石田 剛
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2000 年 39 巻 5 号 p. 340-342

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抄録
背景:Rosai-Dorfman disease (RDD) は頸部リンパ節腫脹, 発熱, 白血球増多, 高ガンマグロブリン血症などを起こす原因不明の組織球増殖性疾患である.鼻腔腫瘤にて発症した症例を経験し, 頸部リンパ節捺印細胞診を検討した.
症例:50歳, 女性.鼻閉で発症.鼻腔内腫瘤の生検に続き, 声門部腫瘤, 4ヵ月後の頸部腫脹リンパ節の生検によりRDDの診断が確定した.生検リンパ節の捺印細胞診ではemperipolesisと呼ばれる, 組織球の小リンパ球貧食像が観察された.異型は認めなかった.その他, 形質細胞, 赤血球も多数出現していた.組織標本では鼻腔腫瘤, 声門部腫瘤, リンパ節ともに組織球の著明な浸潤があり, リンパ節ではemperipolesisを認めた.免疫組織化学的染色ではemperipolesisを示す細胞はS100蛋白, CD68陽1生で組織球と確認された.また, 貧食されたリンパ球にはT細胞, B細胞両方がみられた.その後, 皮膚病変が出現している.
結論:捺印細胞診でemperipolesisを容易に観察し得たことから, 細胞診によるRDDの診断推定が可能であると考えられた.
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