日本臨床細胞学会雑誌
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穿刺吸引細胞診が有用であった胸壁ノカルジア症の1例
金本 淳中村 恵美子宮川 恭一清水 敏夫高見澤 明美川口 研二
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2000 年 39 巻 5 号 p. 364-367

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抄録
背景:穿刺吸引細胞診が有用であった, 本邦でもまれな胸部皮下ノカルジア症の1例について報告する.
症例:症例は79歳男性, 検診にて尿蛋白を指摘, ネフローゼ症候群の疑いで当院を受診した.ステロイド剤による治療を開始したが, 開始後7ヵ月頃から, 右前腕の疹痛と側胸部皮下に6cm大の腫瘤が出現した.診断目的のため, 穿刺吸引細胞診を施行したところ好中球, リンパ球, マクロファージ, 変性壊死物質に混じって繊細な糸状の菌糸が認められた.菌糸はPAS染色, Grocott染色, Gram染色, Ziehl-Neelsen染色 (Fite法) 陽性を示しNocardiaが強く疑われた.細菌培養の結果からNocardia faroinioaと確認された.
結論:ステロイド剤や免疫抑制剤, 抗がん剤治療を受けている患者に膿瘍中に繊細な菌糸が認められた場合, ノカルジア症である可能性も考慮すべきである.
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