日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体癌の細胞診
構造異型を主体に
小田 瑞恵石井 保吉大村 峯夫石田 禮載武田 智子佐々木 寛田中 忠夫
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2000 年 39 巻 5 号 p. 374-380

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抄録
目的:子宮内膜細胞診において子宮体癌を推定する重要な所見は樹枝状集塊と考えている.
対象・方法:今回細胞異型を主体に判定していた時期の精検施行183例と, 構造異型を主体に判定した最近の精検施行294例の内膜細胞診の正診率と, 体癌症例の手術進行期を比較検討した.また他院で作製された子宮体癌症例の標本について直接塗抹法 (44例) と洗い出し・圧挫塗抹法 (44例) の正診率を比較し以下の結果を得た.
結果: 1) 細胞異型主体の183例中クラスVと判定されたのは51例で, このうち子宮体癌は29例 (56.9%), 著変なし13例 (25.5%), また子宮体癌症例をクラスVと判定し得たのは33例中29例だった. 構造異型主体の294例中クラスVと判定したのは110例で, このうち子宮体癌は91例 (82.7%), 著変なし5例 (4.5%), また子宮体癌95例は全例クラスIV, Vと判定し得た. 2) 細胞異型主体の時期に発見した子宮体癌33例の手術進行期は4例 (12.2%) が0期, IA期で, 構造異型を主体にしてからの子宮体癌は95例中24例 (25.3%) が0期, IA期であった. 3) 直接塗抹法 (44例) による子宮体癌症例の正診率は54.6%(44例中24例), 洗い出し法は79.6%(44例中35例) だった.
結論:以上より構造異型を主体に診断することは子宮内膜細胞診の正診率の上昇に有用と考える.
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