日本臨床細胞学会雑誌
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気管支アミロイドーシスの1例
細胞転写法による確定診断
和田 江身子鴻池 資啓木下 康枝大橋 功宮川 文羽賀 博典弓場 吉哲小橋 陽一郎
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2000 年 39 巻 6 号 p. 468-472

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抄録

背景: 標本枚数に限りがある細胞診検査において, 細胞転写法を用いることにより多種の染色法が可能となる. 今回, 細胞転写法が有用であった気管支アミロイドーシスの1例を報告する.
症例: 81歳男性, 血疾, 喘鳴を主訴とし胸部X線写真上肺癌が疑われ入院となった. 気管支鏡検査で発赤を伴う隆起性の粘膜病変が広範に認められ, 擦過細胞診では壊死様無構造物質, 炎症細胞, 組織球がみられたが異型細胞, 悪性細胞は認められなかった. 壊死様無構造物質には通常壊死物質にみられる壊死細胞の核など細胞残存所見がなく, アミロイドーシスを疑った. しかし, 患者の一般状態不良により生検が行えず, 確定診断のため, 壊死様無構造物質について細胞転写法を用い検討した. その物質は, コンゴレッド染色陽性, 抗アミロイドP-component抗体陽性, 電子顕微鏡的検索で幅約10nm前後のアミロイド線維が認められ, 細胞診材料のみでアミロイドーシスと確定しえた.
結論: 細胞転写法は, 細胞診検査においてきわめて有用性の高い方法で, 今後多くの症例に応用できると思われた.

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