日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜漿液性腺癌の3症例
芦原 康氏伊東 英樹小泉 基生斉藤 豪鈴木 孝浩山下 智子山名 香織工藤 隆一
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2000 年 39 巻 6 号 p. 531-535

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抄録

背景: 非常に予後不良であり, また有効な術後補助療法の確立されていない子宮内膜漿液性腺癌3症例を経験したので報告する.
症例: 平均年齢68.7歳, 全例が不正性器出血を主訴に他院を受診し, 内膜細胞診が疑陽性または陽性のため精査・治療目的で紹介となる.細胞計測結果は, 核は円形~ 楕円形で, 核長径は, 平均11.5±2.4μm, 核短径, 10.4±2.0μmと小型であり, 細胞質内には空胞を認めることが多く, 核小体 (平均2.4±0.4μm) が著明.術後病理組織分類はそれぞれpT3aNlMO, pTlbNOMOそしてpTlcNlMOであった.術後補助療法として2症例に化学療法, 1症例に放射線療法が追加施行.その後前2症例は再発し死亡, 1例は経過観察中である.
結論:臨床診断上, 細胞診所見が特徴的であり, ブドウ房状, 乳頭状の細胞集塊, 核は小型で, 細胞質はN/C比大, さらに砂粒小体を認める場合がある.また一般的に筋層浸潤が浅くとも, 子宮外に浸潤していることが多いとされているが, 本症例でもその傾向は明らかであり予後不良の一因と考えられた.

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