日本障害者歯科学会雑誌
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臨床集計
経管栄養の要介護高齢者の発熱と口腔内状態
朝比奈 滉直, 小笠原 正, 秋枝 俊江, 宮原 康太, 松村 康平, 荘司 舞, 島田 茂, 島田 裟彩, 柿木 保明
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2020 年 41 巻 4 号 p. 375-381

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抄録

要介護高齢者は発熱がみられることがあり,さらに誤嚥量の増加,脱水,免疫機能の低下により肺炎となることが危惧される.要介護高齢者において発熱を予防していくことは重要である.今回,経管栄養者の患者背景および口腔内所見と発熱との関係を検討した.

対象者は要介護高齢者のうち経管栄養がなされ,一切経口摂取がされていない患者16名であった.入院・入所記録より年齢,基礎疾患,寝たきり度,調査時より過去6カ月以内の発熱の有無を記録し,意識レベル(Japan Coma Scale),意思疎通の可否を確認した.発熱は,37.5℃以上とした.口蓋粘膜より採取された膜状物質は,顕微鏡にて重層扁平上皮由来の角質変性物が認められた.発熱との単相関は,Fisherの直接確率計算,χ2検定,あるいはStudentのt検定にて解析した.

年齢,性別,寝たきり度,意識レベル,意思疎通,基礎疾患,および残存歯,う蝕歯,CPIと発熱との関連は,統計学的に有意な差は得られなかった.剝離上皮膜の有無と発熱は有意差を認め,剝離上皮膜を有する者は発熱が有意に多かった.剝離上皮膜がみられる口腔や気道は乾燥傾向にある.口腔と気道の乾燥は,局所の免疫能低下と特異的な細菌をもち,発熱を起こすことが疑われた.発熱を予防するためには,口腔粘膜の擦拭と保湿の粘膜ケアが重要であることが示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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