2026 年 7 巻 1 号 p. 39-44
下肢切断は生活の質 (quality of life: QOL) の低下や高い死亡率を伴うため,早期介入が重要である.特に, 包括的高度慢性下肢虚血 (chronic limb-threatening ischemia: CLTI) や糖尿病性足潰瘍 (diabetic foot ulcer: DFU) 患者では, 職業が足潰瘍の治癒遅延に影響を及ぼす可能性が指摘されているが, 職業と下肢切断の関連を検証した研究は少ない. 本研究では, 2019年1月~2024年6月に当院で下肢潰瘍に対し下肢大切断術を施行した患者のうち, 有職者 (立ち仕事または座り仕事) 55例を対象に遡及的解析を行った. 対象66肢の切断内訳は, 下腿切断49肢, 大腿切断13肢, 股関節離断1肢であった. 切断1年後の死亡率は18%, 3年後25%であった. 職業分布では, 立ち仕事24名 (44%) , 座り仕事27名 (49%) , どちらでもない4名 (7%) であった. 本研究により, 職業と下肢切断の関連が示唆され, 今後, 大規模研究を通じたリスク評価や労働環境の改善が求められる.