園芸学会雑誌
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ナフタレン酢酸, ベンジールアデニン及び明•暗条件が試験管内でのヒメサユリ (Lilium rubellum Baker) の子球の発達と圃場における子球の出葉に及ぼす影響
新美 芳二
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1984 年 53 巻 1 号 p. 59-65

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抄録
ヒメサユリ (Lilium rubellum Baker) の子球の発達を試験管内で促進するため, 葉切片に形成された子球(第1次子球) を外植体から分離し, それらをNAAとBAを種々の濃度で含有する修正MS-基本培地 (12) の明条件及び暗条件で培養した.
1. NAAは単独では0.1mg/lのみが第1次子球の生長を促進した.
2. 0.1または1mg/lのNAAを含む培地に0.001mg/lのBAを添加すると第1次子球の生長は一層促進されたが, 0.1mg/lのBAは子球の生長を抑えた.
3. 第1次子球は新たに子球 (第2次子球) を形成し, 0.01mg/l以上のNAAと0.01mg/l以下のBAを含む培地で第2次子球がよく形成された.
4. 0.1mg/l以上のNAAは第1次子球の発根を促進したが, BAは発根を抑え, 特に0.1mg/lのBAは, 発根をほとんど完全に抑えた.
5. 第1次子球の生長, 発根及び第2次子球の形成は全般的に暗条件よりも明条件で促進された.
6. NAA及びBAを種々の濃度で含有する培地の明条件と暗条件で培養した第1次子球を, 低温処理 (3°C, 60日間) したのち圃場に植えた場合, 明条件で培養した子球の出葉が暗条件のものより全般的にすぐれていた. 培地に添加した生長物質は圃場での子球の出葉に抑制的に作用する場合が多く, 特に0.1mg/lのBAといずれの濃度でのNAAを含む培地の暗条件で培養した子球の出葉は著しく抑制された.
7. 本研究の結果から, ヒメサユリの第1次子球は, 0.1mg/lのNAAと0.001mg/lのBAを含有するMS-基本培地の明条件で培養するとよいことがわかった.
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