カキ‘前川次郎’果実における種子数と果色, 糖度並びに果頂裂果幅等との関係について調査した.
1. 無種子果は有種子果に比べて果実が小さく, 縦径の小さい偏平な果形を示した. 又, 無種子果は有種子果に比べて, 果実の着色が遅れ, 糖度も低かったが, 果頂裂果幅はきわめて小さかった. 同一着色程度の果実では種子の有無や種子数の違いによる糖度への影響は明らかでなかった.
2. 種子数が多く形成される栽培条件下では, 種子数が4個まで増加するにつれて, 果重, 果色, 糖度並びに果頂裂果幅は増加した. しかし, 5個以上の果実では, 種子数と果重, 糖度との関係は明らかでなかった.
3. 不完全種子のみを含む果実は無種子果実に比べて, 着色が良好で糖度も高かったが, 果実の大きさ及び果頂裂果幅は無種子果実と有種子果の中間的な値であった.