水文・水資源学会誌
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原著論文
降雨時のミクロスケール土壌表面形状変化のモニタリングに対する数値標高モデルの修正法開発とその応用
Mohamed A. M. Abd Elbasit安田 裕安養寺 久男
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2008 年 21 巻 2 号 p. 114-125

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抄録

降雨時には,ミクロスケール土壌表面形状が土と水の相互作用に大きな影響を与える.本研究の目的は,自動数値写真計測システムによる数値標高モデル(DEM)を修正し,降雨時のミクロスケール土壌表面形状の変化をモニタリングに寄与することである.DEMの標高誤差を除去し,調整するため,2つの方法を用いた.一番目の方法は基準表面法(RSM)であり,内挿前にDEMの誤差を除去するため,この研究の一環として開発した.二番目の方法は,パラメータ統計法(PSM)であり,内挿後にDEMの誤差を除去し,修正するものである.DEMの精度は実験装置上にあるチェックポイントの座標とエレベーション(x,yとz)の測定値と写真測量値の差異によって評価された.チェックポイントのx, y, z方向の平均二乗誤差(RMSE)は,それぞれ2.08,2.59,1.96 mmであった.3つの粗度指標を用いて,土壌表面の変化を評価した. 土壌表面ランダム粗度(RR),制限標高差(LD),制限斜面長(LS)は,時間とともに減少した.これらの方法により,自動デジタル写真測量的システムは修正され,降雨中に正確な土微地形の三次元の(3D)ビジョンを生成した.この修正は,ミクロスケール土壌表面形状のモニタリングと土と水の相互作用の影響解明に新たな方向を示したものである.

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© 2008 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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