家庭の食品ロスが大きな問題となっている。この家庭の食品ロスは消費者行動の変化により削減される可能性が大きい。では,家庭で消費者は食品に対してさまざまな行動をとる中で,ロス削減のためには特にどのような行動が変わる必要があるだろうか。この問いに答えるために,本稿は近年多数公表されている家庭の食品ロス研究の成果をその調査方法も考慮して体系的に整理し,どのような行動がロス発生に大きくかかわっているのかを検討した。その結果,消費者のさまざまな行動のうち,食材の下処理で可食部まで除去する,在庫を積極的に消費しようとしないなどの行動がロス発生に大きくかかわっていることが示されていることを確認した。表示期限で判断して食品を廃棄するケースが多いことも明らかにされていた。今後は,これらの行動はどうすれば変化するのかを探ることが必要である。