抄録
肝芽腫に化学療法が有効であった報告が海外で増えているが,今回初診時切除不能であった肝芽腫3例に日本小児肝癌スタディグループ (Japanese Study Group for Pediatric Liver Tumor) のプロトコールに従い化学療法を行った. その結果,腫瘍は64,58と46% に縮小し,またα-fetoprotein (AFP) も0.1,0.6と1.6% と急速に低下した. 3例とも腫瘍の完全摘出が可能となり,1994年4月現在術後26か月,20か月と16か月間,治療終了後22か月,16か月と13か月間寛解を維持している.日本小児肝癌スタディイグループのプロトコールは肝芽腫に有効であったので報告した.