2016 年 52 巻 6 号 p. 1192-1196
日齢0 の男児.胎児期に腹部腫瘤を指摘され,出生後の検査で右腎上極に径7 cm の腎臓との境界が不明瞭な造影効果の低い充実性腫瘤を認めた.年齢や画像所見より先天性間葉芽腎腫(CMN)を疑い,日齢8 に右腎合併腫瘍摘出術を施行した.肉眼的に完全切除と考えられたが,病理組織学的にはCMN,cellular type で腎静脈壁への浸潤を認め断端陽性でありstage 3 と診断した.術後化学療法は施行せず,術後1 年9 か月現在再発は認めていない.CMN の多くは腎臓に限局し腎摘のみで予後は良好であるが,腫瘍破綻や断端陽性によるstage 3 の症例は局所再発の危険因子とされている.しかし,本症例のようにCMN のstage 3 でも胎児期や新生児期の発症例では化学療法を回避できる可能性があり,今回の症例でもその可能性が示唆された.