日本小児外科学会雑誌
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原著
先天性食道狭窄症の治療戦略
―14例の検討から―
岡村 かおり前田 翔平飯田 則利
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2019 年 55 巻 2 号 p. 242-247

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抄録

【目的】先天性食道狭窄症(CES)は病型に応じた治療が推奨されているが,食道造影所見による病型診断のみでは不確実であり,明確な治療方針が確立していない.今回当科における14例のCESの経験から,治療戦略を検討する.

【方法】1992年4月から2018年3月までの過去26年間に当科で治療した計14例のCESを対象とし,診療録をもとに後方視的に検討した.

【結果】合併奇形は食道閉鎖3例,心大血管奇形1例,直腸肛門奇形1例,多発小奇形1例であった.10例は食道通過障害で発症したが,うち9例は離乳食開始時期,1例は新生児期の発症であった.発症から診断までの期間は平均8.5か月で,5例で半年以上の期間を要していた.狭窄部位は上部食道1例,中部食道3例,下部食道8例,中部・下部食道の合併が2例で,うち1例は多発狭窄であった.食道造影を施行した13例のうち,abrupt narrowingが9例,tapered narrowingが4例であった.治療の内訳は,13例でまず内視鏡的バルーン拡張術を行い,8例は軽快したが,5例は手術を要した.拡張術で軽快した8例の平均拡張回数は5.4回であった.手術を行った5例の術式は狭窄部切除・吻合が3例,半環状切除1例,初回の食道筋層切開が無効であった1例は再手術で狭窄部切除・吻合を施行した.病型は筋線維性肥厚型4例,気管原基迷入型1例,膜様狭窄1例,不明が8例であった.

【結論】CESに対し食道造影および食道超音波内視鏡を行い,食道穿孔に留意して拡張術を繰り返し行い,無効例に手術を選択することで不要な手術を回避できる.

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