日本小児外科学会雑誌
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原著
便塞栓を伴う小児慢性機能性便秘症例の臨床像および便塞栓除去法の検討
大野 幸恵岩井 潤文田 貴志勝海 大輔光永 哲也
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2020 年 56 巻 7 号 p. 1068-1073

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抄録

【目的】小児慢性機能性便秘症(以下本症)では,はじめに便塞栓の有無を診断し,その除去を確実に行うことが重要とされる.今回,便塞栓例の臨床像と経直腸治療を中心とする便塞栓除去法の有効性について検討した.

【方法】当科を受診した1歳以上の本症138例中,便塞栓を呈した48例を対象とし,患者背景,症状・徴候,便塞栓除去法とその有効性について後方視的に検討した.便塞栓除去方法は,患児・家族に十分に説明を行った上で家庭での経直腸治療(グリセリン浣腸(以下GE)もしくはビサコジル座薬)と経口緩下剤内服を基本とし,約2週後の外来受診時に治療効果を判定した.

【結果】初診時年齢は2歳,発症年齢は1歳前後が多く,病悩期間は約90%が1年以上であった.本邦の本症診療ガイドラインに記載されている便塞栓を疑うべき症状・徴候の頻度は,「画像上直腸に便塊を認める」が96%と最も高く,また90%の症例で合致項目が2項目以上であった.外来治療を行った44例中39例はGEを施行,5例は座薬を使用し,40例(90.9%)で便塞栓が除去された.便塞栓除去不成功4例中3例はGEが施行できておらず,そのうち1例は再度の教育により施行を徹底することができたが,2例は受容困難であった.もう1例はGEのみでは効果不十分で摘便を追加した.

【結論】GEもしくは座薬による便塞栓除去治療は,事前に十分な説明・教育を行うことでほとんどの本症患児が受容可能であった.また,約90%の例で便塞栓除去に成功し,有用な方法と考えられた.

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