日本小児外科学会雑誌
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症例報告
胃穿孔による汎発性腹膜炎を生じた急性胃軸捻転の1例
桝屋 隆太中目 和彦楯 真由美黒木 純河野 文彰市原 明子池田 拓人武野 慎祐七島 篤志家入 里志
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2021 年 57 巻 6 号 p. 1002-1007

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抄録

2歳女児.3日前から反復する嘔吐で加療されていた.急激な腹部膨満から消化管穿孔を疑われ当院へ搬送された.来院時顔面蒼白,活気不良,末梢冷感著明,脈拍数200/分,血圧60/42 mmHg,呼吸数43/分とショックを呈していた.腹部造影CTで多量のfree airおよび腹水を認め,胃軸捻転の所見を認めた.胃軸捻転による消化管穿孔と診断し緊急腹腔鏡手術を行った.腹腔鏡下に胃軸捻転を解除したが,穿孔部位が同定困難で開腹へ移行した.胃体上部大弯に付着した大網を剥離したところ同部位にピンホール状の穿孔を認めた.同部位を楔状に切除し胃を腹壁に固定した.遊走脾は認めなかった.術後DIC治療と胃蠕動改善に日数を要したが徐々に回復し,術後19日目に軽快退院した.その後再発なく経過している.急性胃軸捻転に伴い胃穿孔を生じた報告が散見される.重篤化して急激な経過をたどる報告もあるため,迅速な診断と治療を必要とする.

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