日本小児外科学会雑誌
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原著
舌小帯短縮症における舌の長さに関する検討
―舌小帯短縮症患児の舌は短いか?―
伊藤 泰雄 宮國 憲昭
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2025 年 61 巻 1 号 p. 45-49

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抄録

【目的】舌小帯短縮症の患児は,しばしば「舌が短い」ことを主訴に来院する.そこで舌小帯短縮症では「舌の発育不全」があるのではないかと考え,術後に舌の長さを測定して,重症度との関連を検討した.

【方法】2023年5月から2024年6月までに局所麻酔で舌小帯切開を行った乳児138例を対象とした.舌の長さの測定方法は,術後1か月のフォローアップ時に舌の裏に木製の舌圧子を付け根まで差し込み,舌先端の位置をマーキングして舌先端までの長さを測定した.重症度の評価には舌小帯評価スコア5項目のうち目視で客観的に評価できる4項目(肉眼スコア)を用いた.

【結果】病型別の舌の長さの平均は,舌先端型(n=23)11.6±2.0 mm,前方膜型(n=68)13.1±2.6 mm,タワー型(n=29)13.3±2.1 mm,後方(膜型・索状)型(n=18)13.7±3.5 mmで,舌先端型の舌の長さは前方膜型,タワー型,後方型に比べて有意(p<0.01)に短かった.肉眼スコア別の舌の長さは,0点(n=16)10.8±1.4 mm,1点(n=12)13.3±2.4 mm,2点(n=64)12.9±2.6 mm,3点(n=30)13.3±2.2 mm,4点(n=10)13.6±2.8 mm,5点(n=4)15.2±2.0 mm,6点(n=1)16 mm,7点(n=1)21 mmで,スコア0点の舌の長さはスコア1,2,3,4点に比べて有意(p<0.01)に短かった.

【結論】舌の可動域が著しく制限された舌先端型ないしスコア0点では舌の発育が障害されていると考えられた.舌小帯短縮症,特に舌先端型に対する舌小帯切開は早期に行うことが望ましい.

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