抄録
コナラ稚樹に被陰処理を施し光環境変化に対する当年枝形態の変化を調べた。処理2年目の被陰木の一次フラッシュ(開芽展葉)では, 対照木より長く細い枝を少数出しており, これは対照木の二次フラッシュの枝形態に類似した特徴であった。被陰木では枝長に対する同化器官, 非同化器官重量ともに減少したが, 比葉面積(SLA:leaf area/leaf weight)は増大しており, 結果的に対照木と同程度の葉面積を保っていた。対照木ではのちのフラッシュに備え一次フラッシュで同化器官への配分を多くするのに対し, 被陰木では同程度の葉面積を保ちながら力学的強度と同化器官への配分を削減し伸長を重視していた。コナラは陽樹の性質が強く弱光下での生存が難しいため弱光下では上層への到達を優先し, 伸長重視の戦略をとる形態へ変化すると考えられる。