抄録
2000年6月から始まった三宅島の火山活動による多量の降灰で雄山山腹の植生は壊滅的被害を受けた。この影響で泥流災害が島全域で発生し, 現在も危険性は非常に高い状態にあると考えられる。本研究では, このような火山降灰地帯が形成された直後の激しい土壌侵食の実態を実証的に明らかにすることを目的とした土壌侵食の発生状況は降灰による森林被害の程度と相関性があると推察されるので, 空中写真による森林被害区分を行い, それぞれの区分において現地水路侵食実験で侵食特性を検討した。その結果, 降灰が堆積し形成された地表面は流速が20∼35cm/secと早く, 浸透性が低いこと, しかし流出土砂量は降灰層中に枝葉が混入した地区よりも少ないこと等が示された。このデータをもとに汎用土壌侵食式(USLE) によって相対的な面状侵食の危険度を, 火口を中心とした14.5km2の範囲について示した。