抄録
人工芝による緑化工は早期の侵食防止目的に使用されることが多かったので,施工後の植生状況に関する調査,特に長期にわたる追跡調査が少なく,遷移進行に関する資料が不足している。今回の人工芝工の植生追跡調査事例で,植生の回復の度合いは,現地環境条件,導入植物の種類,製品・工法内容などの要因により違いが生ずることも観察された。早期緑化により土壌侵食防止をはかりながら木本導入の促進,次に周辺植生の侵入を促すなどの機能が発揮され,次第に植生が回復されることが確認できた。今後の緑化工は,侵食防止機能を果たしながら植生の自然回復をはかるための手段としても利用できる。