奈良市近郊のコナラ二次林において,ソヨゴ,コナラ,スギ,ヒノキ,ウワミズザクラの主要高木性5 樹種の3 年間での生存・枯死状況,および枯死形態を調査し,その影響要因について検討した。その結果,5 樹種いずれも枯死個体が生存個体に比べ,胸高断面積は有意に小さな値を示した。コナラでは特に,周囲の競争木が高密度の条件で高い枯死率が見られた。ソヨゴ,ヒノキでは生育地点の土壌pH,スギは可給態リン酸含量,コナラでは傾斜角度が,それぞれ生存・枯死に影響していた。ヒノキでは立ち枯れ,スギでは根返りによる枯死が多く見られた。ウワミズザクラでは土壌含水率,交換性カリウム含量が低い立地環境で立ち枯れ個体が多数見られた。