2025 年 41 巻 6 号 p. 801-805
橈骨遠位部骨折の保存治療で用いる外固定材は,ギプスをはじめとして多種多様なものが存在する.今回,同一期間に橈骨遠位部の骨折と診断し保存治療を行った20 例20 骨折に対し,カバー付きキャスティングシステム(以下CS)を用いた群と一般的なシーネやギプスなどの固定材を用いた群を比較し,後ろ向きに検討した.主観的評価として固定材の外観,臭い,汚れ,蒸れ,安心感,満足度,疼痛(visual analogue scale),DASH Score(機能障害),客観的評価として可動域,握力健患差,X 線パラメータについて受傷後1,3,4 週と12 週で調査した結果,外観,汚れ,満足度,握力健患差の項目で有意差を認めた.橈骨遠位部骨折の保存治療において,CS は早期に日常生活に復帰することを実現するギプス固定材の新たな選択肢の一つとなり得る可能性が示唆された.