2025 年 42 巻 2 号 p. 143-148
手指化膿性屈筋腱腱鞘滑膜炎に対する腱滑膜切除術後に,手関節部末梢神経ブロック(手関節ブロック)を併用した早期手指自動運動療法を行い,その有効性を検討した.対象は2021 年1 月~2024 年8 月に手術を施行された16 例で,ブロック併用群(6 例)と非併用群(10 例)に分けて比較した.ブロック併用群では,術後1 日1回レボブピバカインを手関節部で正中神経または尺骨神経に投与し,2 時間毎に自動手指屈伸運動を行わせた.最終観察時に,ブロック併用群は指腹手掌間距離(PPD),PIP 関節屈曲角度,総自動可動域(TAM)において非併用群より有意に良好な成績を示した.感染の再燃や神経障害などの有害事象は認められなかった.手関節ブロックによる確実な除痛が,術後早期の積極的な自動運動促進と腱癒着予防に寄与し,感染制御と機能回復の両立が可能であることが示唆された.