抄録
ソマリ,6歳齢,雌に,左耳孔のびらんを伴う結節および左耳下腺領域皮下の腫脹がみられた。抗生剤で治療後,病理組織学的検査を施行し円形ないし楕円形のPAS染色陽性酵母様真菌要素が多数認められた。真菌培養検査でCryptococcus neoformansが分離され,クリプトコックス症と診断した。イトラコナゾール7 mg/kg/SIDにより2ヵ月後に皮疹は消退,5 mg/kg/SIDとしさらに4ヵ月治療を継続したが抗原検査陽性が持続し,パルス療法(同量1週間投与3週間休薬)に移行した。6ヵ月後に抗原試験は陰性となり休薬,その後皮疹の新生を認めていない。