30日齢,60ないし90日齢,180ないし210日齢および270日齢のマウスの未受精卵子について,表面のレクチン結合が動物の加齢に伴ってどのように変化するかを組織化学的に調べた.UEA-IとLPAの結合はすべての動物の卵子でみられなかったが,PNA,DBA,SBA,BPA,GS-II,WGAおよびCon Aの結合は,いずれの日齢の動物の卵子においても常に弱度ないし強度に認められ,各日齢の動物の間で結合の強さに変化はみられなかった.一方,GS-IおよびMPAの結合は,30ないし210日齢の動物の卵子では中等度および弱度であったが,270日齢の動物の卵子では強まり,強度および中等度になった.以上の結果から,排卵直後のマウス未受精卵子表面の複合糖質はガラクトース,N-アセチルガラクトサミン,N-アセチルグルコサミンおよびマンノースを含んでおり,このうちのガラクトースとN-アセチルガラクトサミンの量は加齢動物の卵子で増加することが推察された.
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