体外受精卵をTCM199中で卵丘細胞とともに117時間共培養を行い,得られた8~16細胞期胚を2群に分けた.一方は対照群として,さらに5日間,TCM199中で卵丘細胞とともに共培養を行うか,あるいは共培養を行わずに10
μM
β -メルカプトエタノール(
β-ME)を添加した培地を用いて培養し,胚盤胞への発育を調べた.他方は,核移植のドナー割球として用いた.核移植卵は,卵丘細胞とともにTCM199で共培養を行った.得られた8~16細胞期胚は2群に分けて,対照群の胚と同じように卵丘細胞と共培養を行うか,あるいは共培養を行わずに
β-ME添加培地を用いて培養し,胚盤胞への発育を調べた.その結果,対照群の8~16細胞期胚でも核移植由来の胚でも,
β-ME無添加の共培養と
β-MEを添加した非共培養における胚盤胞への発育率に差異はなかった.しかし,どちらの培養系でも核移植胚の胚盤胞への発育率は,対照胚の発育率に比べて有意に低かった.
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