Journal of Mammalian Ova Research
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マウス初期胚発生におけるアルギン酸カルシウム製人工透明帯の応用
渡辺 美佳星 和彦矢沢 浩之柳田 薫佐藤 章
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1995 年 12 巻 2 号 p. 95-100

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抄録
アルギン酸カルシウムを用いて人工透明帯を作成し,人工透明帯を装着したマウス2細胞期胚の初期発育と着床への効果を検討した.人工透明帯装着群の胚盤胞への発育率は95.0%を示し,透明帯除去群の83.0%に比べ有意(P<0.05)に高値であった.透明帯無処置群の胚盤胞への発育率は93.1%で,これは人工透明帯装着群と差をみなかった.人工透明帯を装着したまま発育した75個の胚盤胞を受卵雌に移植して12匹の正常な胎仔が得られた.これらの成績は,人工透明帯に用いられたアルギン酸カルシウムは初期胚の発育に有益であり,また子宮の中でタイムリーに溶解して着床を妨げないことを示している.透明帯除去卵によるヒト体外受精に,このアルギン酸カルシウムを用いた人工透明帯の応用が期待される.
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© 1995 日本卵子学会
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