Journal of Mammalian Ova Research
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正常ヒト着床前期胚における性別診断と性染色体モザイシズム
中野 由起子
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1996 年 13 巻 2 号 p. 99-104

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抄録
ICSIによるヒト着床前期胚の性染色体モザイシズムをFISH法で分析し,非侵襲的着床前性別診断法の信頼性を検討した.2PNを確認した2から8細胞期のICSIによる着床前期胚を分離した割球を検体とし,DXZ1,DYZ1を用いdual color FISHで分析した.正常男性および女性の末梢リンパ球間期核で検討した.シグナル検出感度は,XY92.0%(460/500),XX89.4%(447/500)で,単一割球の固定率は88.7%(86/97)であった.同一胚内の割球の分析結果がすべて一致した胚は20/25個(80%)で残りの5個(20%)の胚に性染色体モザイクを認めた.2個の割球の結果が正常で一致しても,残りの胚がモザイクである可能性は12%(3/25個)であった.したがって1個の割球を生検して胚全体の性別を診断するよりも2個の割球を分析すれば88%の信頼性でモザイシズムも否定でき,より正確な判定が可能であることが示唆された.
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© 1996 日本卵子学会
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