MACRO REVIEW
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世界の食料生産とバイオマスエネルギー-2050年の展望
川島 博之
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2010 年 22 巻 2 号 p. 2_3-2_9

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抄録

1950年頃から世界の食料生産量は順調に増加し始めたが、このことが人口爆発を支えたと言っても良いだろう。この増加は工業的に製造した窒素肥料があって初めて可能になったものである。生産量が順調に増加する中で穀物価格は低迷していたが、2006年頃から急に上昇し始めた。しかし、その後、2008年秋に急落し、現在も低迷したままである。価格上昇の原因として当初バイオマスのエネルギーが疑われたが、それは需給のバランスを崩すほどのものではなかった。バイオマスエネルギーの原材料は石油と比べて高価であり、ブラジルでサトウキビから生産されるエタノール以外は石油に対抗できなかったからである。

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© 2010 日本マクロエンジニアリング学会
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