2025 年 32 巻 3 号 p. 151-160
スパイキングニューラルネットワーク(spiking neural network: SNN)は,人間の脳を模倣し,神経スパイクによる情報処理が可能である.SNNを基にした知能システムは,超低消費電力性が実現できるため,その実用化が期待されている.SNNの実用化においては,アルゴリズムとハードウェアの両方の発展が不可欠である.本解説記事では特に,SNNのアルゴリズム,特に発火時刻を微分することで得られる厳密な勾配を用いた学習則に着目する.発火時刻を直接最適化して得られるSNNは,発火時刻に多くの情報が込められ,少ないスパイクで情報処理が可能であるテンポラルコーディングを実現する.