抄録
うさぎを用い, リノール酸メチルヒドロペルオキシド (MLHPs) の小腸における吸収を検討した。700mgのMLHPs投与後, 胸管から, 30minごとのフラクションに分け2.5hにわたりリンパ液を採取した。集めたリンパ液から脂質を抽出し, 高速液体クロマトグラフィーで分析した。
その結果, 投与したMLHPsのうち0.23%が未変化のままリンパ液中に存在することがわかった。このことより, 脂質過酸化物のうちのいくらかは未変化のまま小腸壁より吸収されリンパ液に移り, 体内の各組織に運ばれることが明らかになった。