油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
カロテンのパーム油からの抽出 (第1報)
分子蒸留法
Tian Lye OOIAugustine Soon Hock ONG間室 秀夫窪田 安彦椎名 久子中里 敏
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1986 年 35 巻 7 号 p. 543-548

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抄録
パーム原油をリン酸、ポリリン酸, 酒石酸, 及びシュウ酸のおのおのを用い80℃, 1h処理し, 蒸留に供した。カロテン留分は, 140℃及び180℃で低沸点留分を除いたのち, 6~8×10-3mmHgの圧力下215℃及び225℃で捕集した。カロテン含量は分光光度法によってβ-カロテンとして求めた。残油の色数はロビボンドE型色度計により測定した。
215℃画分のカロテン回収率及び濃縮倍率はそれぞれ11.9~18.2%及び2.6~3.4で, 両者の最高値はポリリン酸処理油のとき得られた。225℃留分についてはリン酸処理油が28.1%及び3.8と回収率及び濃縮倍率それぞれの最高値を示した。どの処理油の場合でも蒸留中にカロテンが一部消失することを認めた。残油の脱色の程度はいずれも不充分であった。通常のパーム原油よりカロテンを多く含有しているハイブリッドパーム油の蒸留も行った。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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