抄録
二系列のベンゾクラウンエーテル誘導体を4'-クロロカルボキシベンゾクラウンエーテル (-15-クラウン-5及び-18-クラウン-6) とアルキルオリゴ (オキシエチレン) エーテルから合成し, これらの若干の水溶液物性, Na+及びK+との錯安定度定数, 及びハロゲン交換反応における触媒作用を検討した。曇り点はクラウン環内及び/あるいは側鎖中のオキシエチレンユニット数の増大に伴い上昇した。また, 18-クラウン-6系列において, アルカリ金属塩化物の添加による曇り点変化は, クラウンサイズ-カチオン種間の良好な “ホスト-ゲスト” の関係を示唆している。メタノール中での錯安定度定数は側鎖導入により変化しないが, 触媒効果は側鎖中のオキシエチレン及びアルキル鎖長の増大により向上することが明らかとなった。