油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
キラルカラム高速液体クロマトグラフィーを用いたトリアシルグリセリンの立体特異分析部分加水分解物の直接誘導体化
高木 徹安藤 靖浩
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1991 年 40 巻 4 号 p. 288-292

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抄録

トリアシルグリセリン (TG) の立体特異分析の改良法を述べた。エチルマグネシウムプロミドによるTGの部分分解物を3, 5-ジニトロフェニルウレタン誘導体とし, ラセミ-1及び2-モノアシルグリセリン (MG) 誘導体をシリカゲル板を用いる薄層クロマトグラフィー (TLC) で分離した。1-MG区分はキラル固定相, N- (R) -1- (α-ナフチル) エチルアミノカルボニル- (S) -バリンが化学結合したγ-アミノプロピルシラン化シリカ (Sumichiral OA/4100) キラル固定相を用いて高速液体クロマトグラフィーでsn-1, sn-3MG区分に分離した。全TG, sn-1, sn-2, sn-3MG区分をメチルエステルにし, 毛細管カラムで各メチルエステル区分のガスクロマトグラフィー (GC) して, その結果からsn-1, sn-2, sn-3位置のアシル基分布を計算した。カカオ脂試料をこの方法で分析した。分別前の直接誘導体化はMGの異性化を減らすのに有効である。

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