プロポキシレーションにおける暴走反応は『PO濃度式』等を活用することによってシミュレーションの可能なことは既に述べた。
それによると, 最高到達圧力は従来知られていた予測法による値に比べてかなり低いことが予想され, かつ実証されたが, 温度は従来法とほぼ同じレベルであり, 反応条件によると300℃を越えることが判明した。
温度上昇による災害を防止する方法を開発することは, 30 万 t を越える生産量を持っプロポキシレーションにとって重要な課題である。
従来は反応缶の外壁を大量の水で冷却することなどが提案されていたが, 適当な測定装置がなかったためその効果の検証はされていなかった。
我々はカセイアルカリを触媒とするプロポキシレーションにおいてリン酸を添加する事で反応の暴走を停止できることを, 『 リアクションカロリメータRC-1』を用いての断熱反応で実証した。