油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
日本の家庭洗濯におけるワイシャツのえり汚れの実態
村田 守康星野 栄一鈴木 哲
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1993 年 42 巻 1 号 p. 2-9

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抄録
低温で実施される日本の家庭洗濯における問題点を見いだすため, 日本全国にまたがる平均的洗濯条件の家庭25 世帯において, 特別な添加剤や酵素を含まない供試噴霧乾燥粉末重質洗剤を使用し, 各家庭の普段のままの成人男子による供試ワイシャツ (木綿/ポリエステル= 35 / 65) の着用, 及び洗濯を実施し, ワイシャツのえりに残留する皮脂汚れとタンパク質汚れの定量及び残留汚れの電子顕微鏡観察を行った。ワイシャツのえりに残留する皮脂及びタンパク質汚れは着用一洗濯回数の増加と共に直線的に増加する傾向にあった。平均 14.7 回の着用-洗濯を経たワイシャツのえりには, 最後に洗濯されないで汚れたまま回収された場合, えり布 1 枚当たり平均 184.2 mg の皮脂と平均 21.0 mg のタンパク質が, また, 最後に洗濯されて回収された場合, 平均 159.9 mgの皮脂と平均 10.4 mg のタンパク質が残留していて, 充分な洗浄効果ではなかった。最後に洗濯されないで回収されたワイシャツのえりのタンパク質汚れの 96 % は水に不溶の表皮角質ケラチンで, 水溶性タンパク質汚れはわずか 4 % であった。最後に洗濯されて回収されたワイシャツのえりに残留していたタンパク質汚れはすべて表皮角質ケラチンであることが, SDS-電気泳動と透過型電子顕微鏡観察で確認された。ワイシャツのえりの汚れの程度の視覚判定値と残留皮質量または, 残留タンパク質量の相関は 0.65 前後, または 0.50 前後であり, 両汚れともに, 見た目の汚れにかなりの影響を与えていることが実際の洗濯で確認された。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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